「どうしたい?」と聞いたあと、返事がないと、つい次の質問を重ねたくなります。でも、その間は、答えを探している時間かもしれません。会話を前へ進めることと同じくらい、待つことも大切にしてみませんか。
この記事の会話や場面は、日々の工夫を考えるための架空の例です。特定のご利用者さまの事例ではありません。
質問は、ひとつずつ。
「出かける? どこに行く? 何時がいい?」と続けると、どこから答えようか迷うことがあります。まずは「今日は外に出たい気分?」とひとつだけ。返事を聞いてから、次の話へ進んでみましょう。話題を小さく区切ると、聞く側も相手の答えに目を向けやすくなります。
選択肢には「今は決めない」も。
選ぶきっかけとして「散歩と買い物なら、どちらがいい?」と聞く方法もあります。ただ、示した二つのどちらかに決めなければいけないわけではありません。「別のことでもいいよ」「あとで考えても大丈夫」と添えると、ご本人の希望が入る余地ができます。
うなずきだけで、決めつけない。
うなずいたから賛成、黙っているから嫌がっている、とすぐに結論を出さず、意味を確かめてみましょう。「散歩に行きたい、ということで合っている?」と、短い言葉で確認します。指さし、文字、写真など、普段使いやすい方法がある方には、その方法で伝えてもらうこともできます。
待てないときこそ、理由を伝える。
出発時刻などの都合がある日は、「あと10分で出る必要があるんだ」と理由を具体的に伝え、今決めることと後でよいことを分けます。急いでしまったら「さっきは返事を急がせてしまったね」と言い直してもかまいません。会話は途中から整え直せます。
今日から使える、小さなメモ
- 質問をひとつ伝えたら、言葉を重ねずに待つ。
- 分かったつもりにならず、短く確認する。
- 「分からない」「今は決めない」も答えとして受け取る。

